米の元患者「悪夢は終わらない」 回復後も家族とハグできず

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米ニューヨークで病院に搬送される患者=6日(ゲッティ=共同)

米ニューヨークで病院に搬送される患者=6日(ゲッティ=共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染拡大が急速に広がる米国では、入院して治療を受け、新型コロナを克服した人たちも増えている。壮絶な医療現場を目の当たりにし、退院後に「治療に役立ちたい」と立ち上がる人の輪が広がる一方、簡単には日常生活に戻れず、苦しみが続く人も少なくない。

 感染の震源地となっているニューヨーク市。イエメン出身の移民で配車サービス「ウーバー」の運転手、ファテヒ・ダーハンさん(34)は新型コロナに感染し、重篤化しながらも生還した一人だ。約2週間の入院生活をへて3月16日、妻と3人の子供が待つ自宅アパートに戻った。

 ダーハンさんが過ごしたのは、病院内の隔離された部屋。高熱が続いて皮膚がやけどしたようになり、朝晩は激しい呼吸困難に襲われた。集中治療室(ICU)には入らなかったが、症状は悪く、人工呼吸器を2度装着するほどだったという。だれとも接触せずに治療を続け、入院から9日目に容体が安定。「私はとても運がよかった。神に感謝するしかない」とダーハンさんは語る。

 だが、退院後も日常生活に戻るのは難しいという。現在もせきが続き、胸も痛むことがあり「本当に治ったのか」と不安感を抱える日々。感染を恐れて、子供たちとはハグができなくなった。感染後、ウーバーから手当てとして1000ドルが支給されたが、アパートの家賃だけで1400ドルかかり、家計の厳しさも深刻だ。ダーハンさんは「どんな仕事でも再開したいが、新型コロナの感染が広まり働きに出るのが怖い。悪夢は終わったと思ったが、そうではなかった」と吐露した。

 新型コロナの患者は症状に加え、徹底的に隔離されるため、孤独にさいなまれるのも特徴で、現場の医療関係者は患者の心のケアにも注力している。

 米メディアによると、中西部オハイオ州に住むニック・ブラウンさん(38)は新型コロナに感染し、18日間、病室のICUに入院。入院中には看護師らがブラウンさんを励まそうと、ガラス窓越しにメッセージを書いてくれたという。ブラウンさんは退院に際し、「私の人生の中で最も心を打たれたのはこの窓だった。献身さを忘れない。あなたたちは私のロックスターだ」と窓に感謝の言葉を残した。

 一方、米国では症状が回復した患者の間で治療に役立ててほしいと血液を提供する動きが広まっている。患者の血液の成分の一つ「血しょう」から新型コロナの抗体を採取し、重篤患者に投与する治療法のためで、効果は不透明だが、ニューヨークの病院などが研究を始めた。

 血しょう治療に協力したニューヨーク市に住むティファニー・ピンクニーさん(39)はAP通信の取材に、「私の血液から何かわかることがあれば、この上ない喜びだ」と話した。フェイスブック上では血液提供を呼びかける患者のグループが立ち上がるなど動きが活発化している。

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