「緊急事態」対象外も影響拡大 群馬 感染者29人、休校続く


 群馬県内で新型コロナウイルス感染が初めて確認されて7日で1カ月。安倍晋三首相が出した緊急事態宣言の対象から外れたものの、初となる未就学児を含む女性3人の感染が新たに判明し、感染者は計29人(うち1人が死亡)となった。新学期を迎えた学校の臨時休校が決まるなど影響が広がっている。

 緊急事態宣言の発令に先立ち、県は7日午前、対策本部会議を開き、発令後の対応などを協議した。

 山本一太知事は会合の冒頭、「明確な目標は県内でオーバーシュート(爆発的な患者急増)を起こさないことだ。県が宣言の対象地域にならないよう努力することが県民の安全につながる」と述べた。

 本部会議では、感染者が増えた場合の病床に加え、軽症者らを一時保護する施設の確保などを協議。外出自粛に伴い経営難となった事業所からの相談状況も報告され、経済対策の在り方も論議した。

 山本知事は会合後に記者団の取材に応じ、学校再開について、知事を含む県幹部が6日に各市町村に出向き、県立学校と同じく「5月7日再開」で足並みをそろえるよう再検討を促したと説明。

 「各市町村長の判断を尊重しつつ、県の危機感を伝えた。最終的には多く(の市町村)が(県と)歩調を合わせてもらえる感触を持っている」と語った。

 前橋市は7日に市内の小中学校を再開したが、13日から5月6日までの休校を決定。小中学校の通常授業の再開を13日からとしていた高崎市は7日、一転して8日から5月6日まで休校とすることを決めた。

 高崎市の富岡賢治市長は、安倍首相が緊急事態宣言を出す考えを6日に表明したことで状況が変わったと説明。「子供たちのマスクの手当てが間に合わないことも影響した」などと述べた。

 休校期間中、学校の開放や放課後児童クラブの臨時開設も行われるが、高崎市は「やむを得ない場合のみに利用してほしい」と呼びかけている。安中市も8日から、藤岡市も9日から5月6日までの休校を決めた。

 伊勢崎市は、市内学校関係者が受けたPCR検査の結果が陰性だったことを踏まえ、小中学校の入学式と始業式は規模を縮小して9日に行うと決定。しかし、13日から5月6日まで休校とする。

 県内では3月7日、太田市の木崎あおぞら保育園に勤務する同市在住の女性保育士の感染が判明。最初の感染者となった。

 その後も感染者は相次ぎ、県は大泉町の診療所「ましも内科・胃腸科」と富岡市の医療機器メーカー、日本光電富岡・富岡生産センタでクラスター(感染集団)が発生したと判断。サッカーJ2のザスパクサツ群馬に所属する前橋市在住の選手の感染も確認されている。



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