新型コロナで国連が途上国支援へ 脆弱国での感染拡大に危機感


 【ニューヨーク=上塚真由】新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって先進国が自国の対応に追われる中、国連は、医療態勢が脆弱(ぜいじゃく)な途上国に感染が拡大することへの危機感を強め、国際社会に支援を呼びかけている。

 国連は3月25日に、途上国、紛争当事国、難民キャンプなどの感染対策を支援するため、20億ドル(約2100億円)規模の計画を発表し、加盟国に資金拠出を要請した。南米やアフリカ、中東などの国を対象に、支援物資の空輸や、検査のための医療機器の購入などを進める計画だ。

 ただ、6日時点で加盟国から集まった資金は約4億ドルにとどまっている。日本が最大の1億ドルを拠出したほか、クウェート、EU、ドイツなどが拠出表明しているが、他の先進国にも協力を呼びかけている。

 グテレス事務総長は、新型コロナ対策には、途上国支援が欠かせないと繰り返し訴えており、先月25日には、「途上国で数百万人が感染すれば、ウイルスが突然変異するリスクがあり、ワクチンが開発されても効かなくなる」と指摘。また、同31日には「国連の創設以来、最大の試練に直面している」と強調。「途上国が感染拡大に対応する力を持ち合わせなければ、ウイルスは山火事のように南半球に広がる恐れがあり、数百万人が死亡する」と述べ、アフリカ大陸で感染が拡大する事態に懸念を示した。



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