覆面禁止法、一部は合憲　香港上訴審　緊急法発動は合憲

　【香港＝藤本欣也】香港高等法院（高裁）の上訴法廷は９日、デモ参加者にマスク着用を禁じた「覆面禁止法」について、香港基本法（憲法）に違反すると認定した一審判決を見直し、一部合憲の判決を下した。

　また、香港政府が同法を施行するに当たり、超法規的措置を可能にする「緊急状況規則条例」（緊急法）を発動したことについては、「公共の安全に危害を与える状況下では認められる」として合憲とした。

　昨年１１月の一審判決では、緊急法を発動し施行された覆面禁止法について、「合理的必要性を超えている」と違憲と認定、政府が上訴していた。

　９日の上訴法廷は、政府の許可を得た合法的な集会・デモでマスク着用を禁止するのは違憲とする一方、不法集会・デモで禁止するのは合憲と判断した。民主派は同日、判決を不服とし、終審法院（最高裁）に上告する意向を示した。