居酒屋「甘太郎」や焼き肉店「牛角」などを展開する外食大手のコロワイドは14日、発行済み株式の約19%を保有する定食屋の大戸屋ホールディングス(HD)に対し、6月開催予定の定時株主総会で経営陣の刷新を求める株主提案を行うと発表した。株主提案の可決承認後には連結子会社化し、定食チェーン取り込みで外食事業を強化する。
コロワイドの提案は大戸屋HDの取締役候補者12人の一括選任案で、コロワイドと大戸屋HDから役員2人ずつ、残る8人は社外取締役とするもの。
候補者リストは未公表だが、大戸屋HDからは窪田健一社長はじめ現経営陣5人を、コロワイド側は蔵人賢樹専務や大戸屋HDの実質的創業者の故・三森久実氏の長男・智仁氏を含めた7人となるもようだ。取締役会の過半数獲得を目指す。
コロワイドは平成31年10月、創業家から大戸屋HDの発行済み株式18・67%を約30億円で取得。現在は19・1%を保有する筆頭株主だ。
株式取得後、同社経営陣に対し、経営状況の立て直しのためM&A(企業の合併・買収)でのグループ入りを提案するも拒絶されたとしている。約3年にわたり既存店売上高がほぼ一貫して前年を下回る大戸屋HDが傘下に入れば、食材仕入れやセントラルキッチン、物流網などの共通化でコスト削減につながり、業績回復が図れると主張する。
大戸屋HDは2月、令和2年3月通期業績予想を下方修正、上場以来初の最終損益が赤字に転落する見通しだ。