新型コロナウイルスの感染拡大による政府の緊急事態宣言で、対象地域では基本的に映画館が営業されていない。そんな中、駐車場に設置された大型スクリーンとカーステレオのFMラジオを使い、乗車したまま映画を観賞する「ドライブインシアター」が日本国内をはじめ、海外でも脚光を浴びている。(水沼啓子)
ドライブインシアターはもともと、車社会の米国で始まり、日本でも1990年代に人気を集めた。その後、シネマコンプレックス(シネコン、複合映画館)などの普及で2010年ごろまでにほとんどが閉鎖し、現在、都市部周辺で常設しているドライブインシアターはほぼないという。
6年ほど前から、ドライブインシアターの復活を目指して活動を続けるシアタープロデュースチーム「Do it Theater(ドゥイット・シアター)」(運営・株式会社ハッチ)では5月以降に神奈川・大磯ロングビーチ第1駐車場でドライブインシアターを実施する予定だ。
「不特定多数の人との接触を避けることができ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちながら安全に映画体験を共有できる」としている。今後、医療の観点からの監修、アドバイスを踏まえ企画を具体化していく。
また、同チームではドライブインシアターの開催などを目的に「ドライブインシアター2020」プロジェクトのクラウドファンディングも開始した。クラウドファンディング・プラットフォーム「MOTION GALLERY」で現在、支援を募っている。
一方、昨年設立された「ドライブインシアターをつくる会」(柿沼節也代表)では、外出自粛ムードが漂う今年3月の連休中、埼玉・川越の「オフロードビレッジ」でドライブインシアターのイベントを開催。SF映画「ゼイリブ」などが上映された。