【香港=藤本欣也】香港警察は18日、昨年から続く反政府・反中国共産党デモの一斉摘発に乗り出し、民主派政党、民主党の創設者で「香港民主主義の父」と称される李柱銘(マーティン・リー)氏をはじめ、民主派の主要メンバーら15人を違法集会に参加した容疑などで逮捕した。
逮捕されたのは、いずれも民主党元主席の李氏、何俊仁氏、楊森氏や、政府・共産党批判の論調で知られる香港紙、蘋果(ひんか)日報の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏ら。李氏や黎氏は同日、起訴後に保釈された。
逮捕容疑は、中国建国70周年記念日の昨年10月1日や昨年8月18日、当局が許可していない反政府・反中デモに参加した疑いなど。黎氏や楊氏は2月末にも別の容疑で逮捕・起訴され、保釈中だった。
香港では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、民主派勢力が反政府・反中デモを自粛。市民の関心も新型コロナに集まる中で、当局が摘発に着手した形だ。9月には立法会(議会)選も予定されている。
民主派メンバーや、デモに参加してきた若者の反発は必至だが、香港では今、防疫措置として、5人以上の集会が禁止されている。