新型コロナウイルスの感染拡大防止で営業を自粛した飲食店が、弁当の持ち帰りや宅配を始めるケースが急増している。こうした状況やタクシーの乗客が減少していることを受け、国土交通省はタクシーによる貨物輸送を特例的に全国で認める。消費者が、タクシー輸送で弁当などの宅配を頼む方法などをまとめた。
Q タクシーの貨物輸送とは
A 既に過疎地では貨物自動車運送事業法に基づき実施されているが、許可が出るまでに通常3~5カ月程度かかっていた。しかし、新型コロナ感染拡大で宅配ニーズが高まっている状況などもあり、特例的に全国で迅速に認めることになった。
Q 事業者から特例措置の要請があったのか
A 「顔なじみのお客に弁当を届けるためにタクシー会社に頼みたい」などの飲食店からの声が国交省に届いていた。特に地方を中心に要望が出ており、国交省では全国でニーズがあるとみる。飲食店が、会員制交流サイト(SNS)などで「宅配弁当を始めました。タクシーでお届けします」などと宣伝して、制度を利用することを想定している。飲食店の弁当だけでなく、スーパーの日用品を運んでもらうことも可能だ。
Q 利用料金は
A 人を乗せるタクシー運賃はメーターに基づいて決めることなどが法律で細かく決まっているが、荷物を載せて運ぶ場合の料金は、飲食店などとタクシー会社が「弁当を1つ運ぶごとに◯円」「1日運んでもらうごとに◯円」など自由に決めていい。このため、消費者の利用料金は業者同士の契約内容によって異なる。
Q タクシーのどこに積むのか。衛生面の安全性は
A 固定が不安定なので座席ではなく、トランク内に積載することを想定している。弁当に保冷剤を入れるなどの対応は、発送する飲食店が責任を持つ必要がある。