新型コロナイルスの感染拡大を防ぐため、マンションなどのモデルルームや、モデルハウスを集めた住宅展示場を閉鎖する動きが広がっている。住宅という「大きな買い物」をするにあたり、じっくり見て回って検討することもままならない状況だ。住宅メーカーからは、仮想現実(VR)ゴーグルを使い、自宅でモデルルームを内覧できる独自の取り組みも登場した。(黒川信雄)
自宅で“内覧”
「おうちで住まいづくり」-。
4月中旬、新型コロナによる外出自粛で大阪市内の自宅で勤務していた男性会社員(45)のポストに、こう書かれたダイレクトメールが届いた。希望者には紙製のVRゴーグルを無料でプレゼントし、仮想空間でモデルルームを内覧できるという。「これなら人が多い住宅展示場に行かないですむ」と会社員は思った。送り主は、大手住宅メーカーの積水ハウスだった。
「新型コロナの影響で在宅時間が増える。ネットで顧客と折衝できないかと考えた」。プロジェクトを推進した同社の松岡靖博・経営企画部主任は、狙いをこう語る。