【ワシントン=塩原永久】米下院は23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4840億ドル(約52兆円)の追加経済対策法案を賛成多数で可決した。トランプ米大統領の署名を経て成立する見通し。新型コロナ関連の4本目の経済対策となり、これまですべての対策規模は計3兆ドル(約320兆円)に達する。
法案は上院で21日に可決していた。追加対策は、3月下旬に成立した2兆2千億ドルの大型経済対策に盛り込まれた中小企業支援策の拡充が柱となった。
中小企業に雇用維持を促すため、従業員への一定期間の給与などに充てた融資の返済を免除する内容。当初3500億ドルを計上したが、申請が殺到して予算が枯渇。今回の追加対策で3100億ドルを上積みした。
病院の支援に750億ドルを計上。検査体制の整備に250億ドルを充てる。
計4本の経済対策は、外出禁止などの感染対策で家計や企業が受ける打撃を緩和するため、国民への現金給付や病気休暇の拡充、企業の資金繰り支援が中心となった。ただ、失業者の増加に歯止めがかからず、厳しい景気悪化が必至だ。
米政権と議会は感染終息後の景気回復を後押しするため、インフラ投資を含む新たな大型経済対策を目指している。ただ、財源不足に伴い与野党の対立が深まっており、対策策定は容易ではない。