【アメリカを読む】「原油価格マイナス」うごめく投資マネー 狙うは「伝説の投機家」二匹目のどじょう

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米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵施設。米原油先物相場では、原油価格がマイナスとなる珍事が起きるなど、原油市場の混迷が深まっている(ロイター)

米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵施設。米原油先物相場では、原油価格がマイナスとなる珍事が起きるなど、原油市場の混迷が深まっている(ロイター)

 米国で原油先物の価格がマイナスとなる珍事が起きた。新型コロナウイルスの影響で経済活動が停滞し、余った原油の買い手がつかなくなったためだ。余剰分をためておく地上の貯蔵スペースが乏しくなり、関係企業が洋上の巨大タンカーを貯蔵庫代わりに使い始めた。そこで市場関係者が思い起こすのは、タンカーを借り上げ、相場上昇時に売却して巨富を築いた“伝説の投機家”の存在だった。(ワシントン 塩原永久)

 ニューヨーク原油先物相場で、指標となる米国産標準油種(WTI)がマイナス価格となったのは4月20日。週明け初日となった同日、ニューヨーク原油先物相場でWTIの5月渡しは午前中から売りが加速。前週末比55・90ドル安の1バレル=マイナス37・63ドルで取引を終え、同商品が上場した1983年以来、初めて価格がマイナスになった。

 事実上、売り手が代金を支払って原油を引き取ってもらう異常事態だ。

 米国で感染症対策の外出制限が広がり、航空機や自動車の利用機会が激減。市場関係者の想定以上に需要が急ピッチで落ち込んでいるが、「蛇口を閉めるように即座に生産を止められない」(業界関係者)事業者の供給削減が、需要減に追いつかない状態だという。

 米国の主要拠点となるオクラホマ州クッシングの貯蔵スペースが急速に減少しており、近く満杯になる見込みだ。米国内での貯蔵余地が乏しくなったことも投資家の不安を誘い、同月21日を期限とした5月渡しは投げ売り状態となった。

 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による「OPECプラス」は、5~6月に日量970万バレルの減産を実施することで合意したが、需要の先細りに見合った減産量だとの見方は少ない。原油市場は当面、供給過剰の状態が続き、相場に下押し圧力がかかると指摘されている。

 ロイター通信によると、米国で製油所などが持つ施設の貯蔵スペースも奪い合いとなっており、確保した貯蔵スペースを“転売”してひともうけしようという動きが加速している。同通信が伝えた貯蔵スペースのリース契約を扱うブローカーによると、「ヘッジファンドから何十もの電話やメールが届いている」という。

 「スーパータンカー」と呼ばれる巨大タンカーのリース価格も上昇している。地上の貯蔵スペースが底をつく見通しとなり、洋上に浮かぶタンカーを貯蔵庫代わりに使おうとする関係企業が、タンカーを借り上げようとしているためだ。

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