関東財務局前橋財務事務所が27日発表した4月の群馬県内の経済情勢報告は、新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が抑制されている状況を踏まえ、「急速に下押しされており、極めて厳しい状況にある」と総括判断。前回1月の「緩やかに回復しつつある」から下方修正した。
下方修正は沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中関係が悪化した平成25年1月以来29期ぶり。
感染拡大に伴う外出自粛や休業、企業活動の停滞などにより判断を引き下げた。「極めて厳しい」との表現に踏み込んだのは報告が始まった13年以来初。
牧野康典所長は「リーマン・ショックを受け21年1月に示した『悪化している』との判断に匹敵する」と説明した。
個別項目では4項目で下方修正し、うち個人消費は21期ぶり。スーパー、コンビニなどの販売額が前年を上回ったが、乗用車や家電の販売が下回り、全体で「弱含んでいる」とした。
生産活動は2期連続。太田市に生産拠点がある輸送機器メーカーが操業停止したほか、部品メーカーや周辺の飲食業にも影響が拡大した。雇用情勢は16期ぶりで、「改善の動きに一服感がみられる」とした。
先行きについては「さらなる下振れリスクに注意が必要」と指摘。事業者からは収束が見えにくく、「見通しが立たない」との声が目立ったという。