長崎市沖の端島(はしま)炭坑跡(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」の全体像を紹介するため、政府が3月末にオープンさせた「産業遺産情報センター」の展示内容に、韓国側が批判を強めている。韓国側は軍艦島での朝鮮半島出身者の戦時労働をナチスのアウシュビッツ強制収容所と同一視するような主張をしており、韓国メディアは「強制労働を隠蔽した」(ハンギョレ電子版)と反発している。
情報センターは、平成27年7月に産業革命遺産が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録される過程で韓国側が反対運動を展開したため、日本政府が設置を表明した。世界遺産登録への反発を避けるためで、日本政府が軍艦島を含む登録施設の一部に「意思に反して」連れてこられた朝鮮半島出身者の存在を認め、設置を決めた。
韓国政府は「戦時中、意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者がいた」と主張し、日本側は「徴用政策を実施していたことについて理解できる措置を講じる」と応じた。