9月入学、経団連会長「ごく自然」 グローバル人材獲得へ期待感





経団連の中西宏明会長(平尾孝撮影)

 9月入学・始業の検討について、経済界には賛同の声が多い。ほとんどの国内企業は現在、4月に新卒者を一括採用しているが、9月入学・始業に伴って欧米で主流の秋入社となれば、グローバル人材の獲得競争でハンディが解消されるからだ。ただ、一気に変更すれば混乱する恐れもある。

 経団連の中西宏明会長は11日の記者会見で、「海外との連携を考えると、9月入学はごく自然なこと」と歓迎する見解を示した。

 経団連はもともと、東京大が秋入学導入を議論した際に支持した経緯がある。ただ、東大案は、春に高校を卒業し半年後の秋に大学に入学する内容で、半年間の経済負担などが問題視され断念。その後、経団連が独自に9月入学を推進することもなかった。

 中西氏は「当時も、さまざまな問題があって実現しなかったが、よく議論してほしい」と語った。

 海外事業の比率が高い総合商社の経営トップは軒並み歓迎する。三井物産の安永竜夫社長は「学生も海外留学がしやすくなる」とメリットを強調するほか、双日の藤本昌義社長も「積極的に議論を進めてほしい」と求める。

 とはいえ、一気に9月に変更した場合、何月生まれまでを新入生の対象とするかによって入学者数が急増する可能性がある。日本商工会議所の三村明夫会頭は「約100年続いた制度だけに変更するのは大変。数年かけた対応が必要だ」と指摘する。(平尾孝)



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