政府は14日午前、新型コロナウイルス感染症対策本部の有識者らで構成する「基本的対処方針等諮問委員会」を開き、31日に期限を迎える全国を対象とする緊急事態宣言について、39県を解除する方針を諮った。重点的に対策が必要な13の「特定警戒都道府県」うち茨城、愛知、岐阜、福岡、石川の5県と特定警戒以外の34県が解除の対象となる。委員会の了承を経て、14日夜の政府対策本部で正式決定する。
委員会の冒頭、西村康稔経済再生担当相は「感染症対策を徹底することを前提として、段階的に社会経済のレベルを引き上げていく必要がある」と述べた。新規感染者数や医療提供体制、モニタリング体制を踏まえ「解除することが妥当ではないかと考えている」と説明した。
特定警戒以外の34県や特定警戒の茨城など4県は新規感染者が減少傾向にあり、新規感染者が比較的多い石川でも感染経路がある程度特定されているため解除に踏み切る。
医療体制が逼迫(ひっぱく)している東京や大阪、感染拡大の「第2波」が押し寄せる北海道など8都道府県は引き続き特定警戒に指定する。21日をめどに改めて感染状況などを分析し、宣言解除の是非を判断する。
基本的対処方針の改定案も諮問した。宣言解除後に再び感染が拡大するのを防ぐため、宣言の対象区域との不要不急の往来や大規模イベントの開催、接客を伴う飲食店などへの外出は引き続き自粛を要請する。
安倍晋三首相は14日午後6時に記者会見を行い、宣言解除について説明する。