劇場版『チェンソーマン レゼ篇』先行レビュー:鬼滅・呪術に続く100億円超えなるか?

チェンソーで悪魔をなぎ倒す“どぎつい戦闘シーン”がてんこ盛りの『チェンソーマン』が、遂に劇場版となってスクリーンに登場します。2022年に放送されたテレビアニメ第1期は、その斬新な物語と圧巻の映像演出が視聴者から絶賛され、コアなファンだけでなく幅広い層に浸透しました。そして今回、待望の続編となる劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が9月19日に公開されます。すでに『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』といった『週刊少年ジャンプ』発の劇場版アニメが興行収入100億円を超えるスーパーヒットを記録している中、『チェンソーマン』もこの系譜に続き、新たな金字塔を打ち立てることができるのか、その可能性を本記事では掘り下げていきます。

デンジの上司であり物語のキーパーソンとなるマキマ。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』への期待が高まるデンジの上司であり物語のキーパーソンとなるマキマ。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』への期待が高まる

『チェンソーマン』とは?ダークヒーローが織りなす衝撃の世界観

『チェンソーマン』は、チェンソーの悪魔と契約し「チェンソーマン」となった武器人間・デンジ(16歳)を主人公とする物語です。公安対魔特異4課のデビルハンターとして、治安維持のために凶悪な悪魔や魔人たちを退治していく日々を送ります。もともとデンジは、父の残した多額の借金を返済するため、悪魔を駆除するデビルハンターとして活動していました。しかし、ある日ヤクザに騙され悪魔に殺害されてしまいます。その際、彼の心臓が「チェンソーの悪魔」と契約を交わし、デンジはチェンソーマンとして蘇生。その後、公安対魔特異4課にスカウトされ、その生活は厳しく管理されることになります。

普段は人間の姿をしているデンジですが、胸のスターターグリップを引くと、エンジン音が唸りを上げ、電動鋸の歯が頭と両腕に現れる武器人間「チェンソーマン」へと変身します。人間界に跋扈する悪魔をチェンソーで駆除する彼の戦いぶりは、まるでスプラッター映画を観ているかのような過激な描写が連続します。王道のヒーロー像とは一線を画す、衝撃的なシーンの数々が特徴のダークヒーロー物語です。

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の迫力ある戦闘シーンと映像美を予感させる場面写真。ダークヒーローの戦いが幕を開ける劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の迫力ある戦闘シーンと映像美を予感させる場面写真。ダークヒーローの戦いが幕を開ける

劇場版『レゼ篇』が期待される背景:テレビアニメ版の成功と原作の人気

本作の原作は、劇場アニメ『ルックバック』のヒットも記憶に新しい鬼才漫画家、藤本タツキ氏による同名漫画です。2019年から2021年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で第1部「公安編」が連載され、2022年7月からは第2部「学園編」がウェブ漫画プラットフォーム『少年ジャンプ+』で連載中です。既刊22巻(2025年9月現在)のシリーズ累計発行部数は3000万部を突破しており、その圧倒的な人気は折り紙付きです。

テレビアニメ第1期の放送では、MAPPAが手掛けたハイクオリティな映像表現と、原作が持つ独特の世界観が融合し、多くの視聴者を魅了しました。特に、そのアクションシーンの迫力と緻密な描写は、アニメファンからの絶賛を浴び、作品の知名度を一気に押し上げました。この成功が、満を持して公開される劇場版『チェンソーマン レゼ篇』への大きな期待へと繋がっています。

興行収入100億円超えへ?『鬼滅の刃』『呪術廻戦』との比較

『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』といった作品が劇場版で興行収入100億円を軽々と超え、社会現象を巻き起こしたことを考えると、『チェンソーマン』もそれに続くポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。先行して本作を鑑賞した筆者がネタバレを避けながらお伝えできるのは、テレビアニメ版で高く評価された圧倒的な映像美と戦闘シーンが、劇場版でさらにスケールアップしている点です。

「レゼ篇」は原作ファンの中でも特に人気の高いエピソードであり、その映像化を待ち望んでいた声は少なくありません。劇場版ならではの没入感と迫力で、デンジとレゼが織りなす切なくも激しい物語が描かれます。アニメーションスタジオMAPPAの技術力と、藤本タツキ氏の原作が持つ唯一無二の魅力が融合した時、どのような化学反応が生まれるのか。まさに、アニメ映画界の新たな歴史を刻む可能性を秘めた作品と言えるでしょう。

結論

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は、既存のファン層を深く満足させるとともに、テレビアニメから作品に触れた新規層をも魅了する力を持っています。過激でありながらも心を揺さぶるストーリーと、息をのむような映像体験は、観客に強烈な印象を残すことでしょう。既に『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』が築き上げた“100億円超え”という成功の道を、『チェンソーマン』が辿ることができるか、その行方に日本中の注目が集まっています。ぜひ劇場に足を運び、この衝撃のダークファンタジーをその目で確かめてください。

参考資料