都知事選まで1カ月 小池知事、足場固め着々 自民は都議選に危機感


 任期満了に伴う東京都知事選の告示(6月18日)が約1カ月後に迫る中、小池百合子知事の動きが活発になってきた。与党幹部の元に足しげく通い、目指すとされる再選に向け着々と足元を固めている。新型コロナウイルス対応への世論の評価も高く、主要政党の対抗馬擁立も難しい状況だ。対立する自民党都連は来年の都議選に危機感を募らせる。

 「日本経済の要をどうやって維持、発展させるのかという大目的と手段との整合性をつけてほしい」

 小池氏は14日、自民党の二階俊博幹事長との面会後、記者団にこう強調した。小池氏は、二階氏に先立ち、岸田文雄政調会長とも面会。13日には公明党本部で山口那津男代表とも会い、意見を交わした。

 自公幹部への訪問は、表向きは新型コロナ対応のための地方創生臨時交付金の東京など大都市への重点配分や家賃支援拡充の要望としているが、都知事選への協力要請を意識した行動ともみられる。

 自民党都連はこれまで、都知事選への独自候補の擁立を模索してきた。しかし、二階氏が、小池氏を後押しする発言を繰り返し、公明党も「都政の継続性」を重視する。山口氏は12日の記者会見で「知事としてやれる範囲で一生懸命取り組んでいる」と持ち上げてみせた。

 小池氏は平成29年の都議選で地域政党「都民ファーストの会」を率いて都議会第1党を奪取。同年の衆院選で希望の党代表として野党勢力に結集を呼び掛けたものの、リベラル系を「排除する」と発言したことで支持が離れ、大敗した。

 しかし、新型コロナ対応で政府に緊急事態宣言の発令を求めるなど持ち前の発信力を発揮して勢いを取り戻した。ある自民党都連幹部は「このまま、なし崩し的に小池氏再選になるだろう」と本音を漏らす。

 来年は「天王山」の都議選が控える。別の都連幹部は「コロナの問題が延びて、小池氏の露出が増えるほど都議選は自民にとって苦しいものになる」と困惑した様子で語った。(今仲信博、広池慶一)



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