日本郵便は15日、かんぽ生命保険の勧誘を行う渉外社員が、新型コロナウイルスの経済対策として政府が実施している持続化給付金を受け取ろうとしている書き込みがネット上でみられることから、申請しないよう社員に注意喚起する意向を明らかにした。かんぽ生命も同様の注意喚起をするという。
持続化給付金は新型コロナの影響で売り上げが大幅に減った中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を支給する制度。日本郵便によると、同社の渉外社員は給与所得の他に、保険勧誘の手当として支給される「事業所得」がある。給付金は確定申告で事業所得として計上した収入が半減した場合でも対象となるため、申請を試みている可能性がある。かんぽ生命の営業社員も事業所得で受け取る部分があるという。
日本郵便とかんぽ生命は、保険の不正販売を受けて昨年7月中旬から積極的な営業を自粛、両社員の事業所得も前年と比べると大きく減っているとみられる。ただ、減収の原因は「新型コロナとは関係ない」(日本郵便)ため、申請しないよう注意喚起する方針という。
中小企業庁は、申請内容に不審な点があれば調査するとしており、持続化給付金を不正受給したと判断した場合、給付金の全額に延滞金などを加えた額を返還請求するほか、悪質な場合には刑事告発する場合もあるとしている。