西村康稔経済再生担当相は17日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況の傾向をつかむ新たな指標「K値」について「傾向を見るには指標にはなると思う。今後、判断していく上で参考にしたい」と述べた。K値は直近1週間での累積感染者数の増加率を示す数値で、小さいほど収束に向かっていることを意味し、曜日のばらつきを考えなくてよいことが注目されている。
K値は大阪大核物理研究センターの中野貴志教授らが提唱し、14日の政府の新型コロナの専門家会議でも示された。直近1週間の新規感染者数を累積感染者数で割った数値で、「0・05」なら1週間で感染者が5%増えたことになる。
西村氏によると、3月25日を起点に計算した場合、緊急事態宣言を発出して1週間後となる4月14日の全国のK値は0・55となり、直近1週間の新規感染者が累積感染者の過半数だったが、今月16日には0・035に下がった。
6日に経済規制の緩和策を発表したドイツの同日のK値は0・044、11日にフランスが外出制限を解除した同日のK値は0・059で、中野氏は0・05を目安にしている。
0・05を東京都に当てはめると1週間の新規感染者数は240人(10万人あたり1・7人)となる。16日のK値は0・042だった。西村氏は「傾向をみるには一定の意味がある。数値として追っていきたい」と述べた。