新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が続く8都道府県のうち、北海道を除く7都府県で1カ月前に比べて入院患者数が減少し、病床の逼迫(ひっぱく)状態から改善傾向にあることが18日、産経新聞の調べで分かった。新型コロナ患者向けの病床数は全ての地域で上積みされたが、再び感染拡大する「第2波」の懸念もあり、予断を許さない。
北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫の8都道府県に4月17日と5月17日の病床数、入院患者数、重症者の病床使用率を聞き、比較した。
東京都によると、入院患者数は4月17日に退院者を含み2679人に上ったが、5月17日には1024人まで減少。病床数は2千床から3300床に拡充された。都の担当者は「逼迫した状況からは脱したが、ここで緩むとさらなる感染拡大につながり、油断はできない」と警戒を強める。
大阪府は入院患者数が入院調整中を合わせて770人から306人と半分以下になり、病床数は676床から1137床に増加。府独自の解除基準では重症患者用の病床使用率60%未満を指標の一つに設定しているが、5月17日は20・7%で4月17日の51・6%から大幅に下がった。
兵庫県の入院患者数は248人から75人に減った。重症者の病床使用率は9割に達していたが、5月17日には23・9%まで低下。担当者は「本当にギリギリの状態だったが、軽症患者を宿泊施設に移せるようになり、4月下旬ごろから随分楽になった」と明かす。
一方、国に先駆けて2月に独自の「緊急事態宣言」を出した北海道は一度減少した感染者が再び増加し、第2波に直面。病床数は400床から600床に増えたものの、入院患者数は177人から285人と約1・6倍増加している。