小池都政問う議論、低調 告示まで1カ月 都知事選、異例の選挙戦へ





小池百合子東京都知事=15日午後、東京都新宿区の東京都庁(桐山弘太撮影)

 7月5日投開票の東京都知事選の告示まで18日で1カ月となった。再選に向けた出馬が確実視される小池百合子知事が新型コロナウイルス感染抑止への対応で注目を集める中で自民党は独自候補の擁立を見送り、野党の統一候補も具体化していない。新型コロナを背景に小池都政の4年間に関する論戦が盛り上がりをみせないまま選挙戦を迎える可能性がある。

 「都連として有力候補者を準備できていないのに、党本部の考えに反することはできない」。自民党都議の一人は独自候補擁立断念に無念さをにじませた。

 自民都連は平成29年の都議選で小池氏が率いた都民ファーストの会に最大会派の座を譲り渡し、対立を深めてきた。これまで築地市場跡地の再開発計画など都政運営をめぐり批判を繰り返したが、新型コロナ対応を背景に3年ぶりに今年度予算案に賛成。小池氏への不満はあるが、党本部によって外堀を埋められた。

 小池氏は15日の定例記者会見で再選出馬の意向を尋ねる質問に「コロナ対策をしっかり取り組むのが現職としての最大の仕事」などとかわした。小池氏周辺では5月下旬開会予定の都議会定例会の期間中に表明するとの見方が広がり、都民ファーストに加え、都政で協調路線を取る公明党も事実上の支援に回るとみられる。

 野党統一候補の選定は難航しているとされ、立憲民主や国民民主の都議らは「具体的な候補者名を発表する段階にはない」などと話し、ある都議は「コロナが大変な状況で、そもそも出馬してくれる人がいるのか」と漏らす。

 都知事選にはNHKから国民を守る党の立花孝志党首(52)や、幸福実現党広報本部長の七海ひろこ氏(35)らが立候補の意向を表明。任期満了に伴う都知事選が実施されるのは平成23年以来、9年ぶり。感染抑止に取り組みながらの異例の選挙戦になる。



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