新型コロナウイルス感染拡大に伴い国が改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき発令した緊急事態宣言が栃木県を含む39県で解除されてから、21日で1週間。産経新聞が全国の知事に行ったアンケートで、福田富一知事は「(全国一律の宣言が)都道府県をまたぐ人の移動を抑制した」と答え、政府の一連の対応を「どちらかといえば評価する」とした。
国が宣言の対象地域を全国に拡大したのは4月16日。期限は当初5月6日までだったが、一旦31日まで延長された後、39県では14日に解除された。
大型連休後までの延長がもたらした効果に関し、福田知事は「長丁場の対策に向けた指針を示すことにもつながった」と指摘。「多少は評価する」とした。
一方、県の対策については「効果はあった」と自信を示した。外出自粛の効果が確実に出た結果、4月27日からの10日間は県内の新規感染者がゼロとなるなど「感染者数が減少している」ことを理由に挙げた。
事態の収束が見通せない中、学校の授業休止に関連して「9月入学」の議論が高まっている。福田知事は「教育全般にわたる大改革で、影響は広範囲に及ぶ」と指摘し、「拙速な導入には反対」とくぎを刺す。
緊急事態宣言が再び発令される事態も念頭に、営業や外出の制限に強制力を伴わせる法改正は「必要」だと答えた。
コロナ禍への対応をめぐり、都道府県が担う役割は大きい。福田知事は20日の定例会見で「地域の実情は異なるため、独自に判断するのは正しいやり方」だとした上で、「特定警戒都道府県が周囲にあることは、栃木県の対応を難しくしている」と述べた。
また、宣言解除後に人の移動が活発化していることから「『新しい生活様式』の実践が重要。県境をまたぐ移動は、引き続き月末まで自粛を」と県民に呼びかけた。(山沢義徳)