トランプ大統領、ウクライナ軍事支援をNATO経由で強化へ 方針表明、パトリオット含む

【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は10日、米NBCニュースのインタビューに応じ、ロシアによる侵攻を受けるウクライナに対する追加の軍事支援を北大西洋条約機構(NATO)経由で行う方針を明らかにしました。支援には複数の地対空ミサイルシステム「パトリオット」が含まれ、その費用はNATO側が全額負担するとしています。

トランプ氏は、支援の流れについて「我々がNATOに兵器を送り、NATOがウクライナに届ける」形で実施すると説明。これは、去る6月のNATO首脳会議で合意された支援の枠組みに基づくものだと述べています。

トランプ大統領、ウクライナ軍事支援方針を語るトランプ大統領、ウクライナ軍事支援方針を語る

マルコ・ルビオ米国務長官も訪問先のマレーシアで記者団に対し、ドイツやスペインに対しパトリオットを提供するよう要請していることを明らかにしました。これは、NATOを通じた支援の一部として進められている動きと見られます。

米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」

ロシアの対応については、「ロシアには失望している」と述べたトランプ氏。今月14日には「重大発表をする」と予告しており、具体的な内容は伏せられていますが、対ロシア制裁や今後の軍事支援に関する発表となる可能性があります。

米議会上院では現在、石油などのロシア製品を購入する国に対し500%の関税を課すことを含む、新たな対ロシア制裁法案の審議が予定されています。

この法案について、トランプ氏は可決されるとの見通しを示した上で、「大統領が望むことは何でもできるようにする法案だ。(中略)言い換えれば、それを使うかどうかは私の選択だ」と語りました。これは、制裁措置をロシアとの停戦交渉における切り札として活用する意図を示唆していると考えられます。

今回のトランプ大統領の発言は、ウクライナへの軍事支援をNATO主導で進める方針と、対ロシア制裁を交渉手段として用いる可能性を示唆するものです。今後予定される「重大発表」を含め、米国の対露・対ウクライナ政策の動向が注目されます。

出典:Yahoo!ニュース / 読売新聞オンライン