蔡英文総統、高支持率も政権基盤に不安 経済再生が課題

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台湾総統の就任式で宣誓する蔡英文総統=20日、台北(総統府提供・共同)

台湾総統の就任式で宣誓する蔡英文総統=20日、台北(総統府提供・共同)

 【台北=矢板明夫】20日に2期目を始動させた台湾の蔡英文総統は、就任演説で、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の建て直しに長い時間をかけた。現在、高い支持率を誇る蔡政権だが、政権基盤は決して盤石とはいえない。与党、民主進歩党内の派閥抗争の動きが顕著になっており、野党、中国国民党も政権奪還を狙う。経済問題で成果を出さなければ、政権の支持率は一気に急落する可能性もある。

 台湾の大手テレビ局TVBSが5月中旬に行った世論調査によると、蔡氏の支持率は61%で、就任後の4年間で最も高い数字となった。2018年11月の統一地方選挙で与党、民進党が大敗した直後の支持率は15%まで落ち込んでおり、1年半で40ポイント以上、回復させた。その理由は2つあるといわれている。

 一つは昨年の香港の反中デモによって、香港の若者に同情した台湾の有権者の間で反中感情が高まり、結果として、中国に距離を置く蔡氏の支持率が上昇したこと。もう一つは、今年1月からの新型コロナ問題で、中国に対する不信感が強い蔡政権が直ちに中国大陸との人的往来を断ち切ったことで、感染源を減らしたことだ。その後、衛生当局の努力もあり、コロナ対策に成功したことで支持率はさらに上昇した。いずれも幸運に恵まれた側面があった。短期間で上昇した支持率だけに、短期間で急落する可能性もある。

 今、台湾で暮らす人々は日常生活を取り戻しつつあるが、多くの業種の関係者が収入減に直面している。台湾の3月の失業率は3・72%で、今年第1四半期の経済成長率は1・54%だった。感染症の被害を大きく受けた周辺国と比べて悪い数字ではないが、多くの市民は生活苦を感じている。経済の活気をいかに素早く取り戻すかが政権の勝負になっている。

 蔡氏は19日、蘇貞昌(そ・ていしょう)行政院長(首相に相当)を続投させるなど、新しい部・会長(閣僚)人事を発表した。経済を重視する布陣と強調しているが、一部メディアからは総統選や新型コロナ対策での「論功行賞人事」と批判されている。

 与党、民進党内では早くも「ポスト蔡英文」を争う動きが出てきており、2024年の任期満了を待たずに派閥間の主導権争いが始まっている。野党の国民党は蔡政権と全面対決の姿勢を示しており、蔡氏の失敗を待ってさらに攻勢を強める構えだ。

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