茨城県内の新型コロナウイルス感染状況が安定する中、県は22日にも独自の基準をさらに引き下げて外出自粛や休業要請の緩和を公表するとみられる。大井川和彦知事は産経新聞のアンケートで県の対策について「効果はあった」と強調した。国の対応には「緊急事態宣言の発令で感染状況は落ち着きを見せている」と評価する一方、地方への交付金については「不十分」との認識も示した。(永井大輔)
茨城県内の新たな感染者は21日も確認されず、16日連続ゼロとなった。これまでの感染者は168人。21日までに125人が陰性化し、病床稼働率は15%以下に押さえ込んでいる。
東日本の特定警戒都道府県で唯一、緊急事態宣言が解除されたこともあり、県の感染防止対策は成果があったといえる。大井川知事はアンケートで「国の緊急事態宣言発令前から、県内の感染状況を踏まえた外出自粛要請や県立学校の臨時休業等を段階的に行ってきた」と成果の背景を回答した。
また、知事は会見などで、新型コロナとの共存の必要性を主張しており、ウイルスとの長期戦が見込まれる中「自粛や解除の1か0かではなくその間の対応が求められる」と強調している。県内経済を維持するために、自粛を最小限にとどめたい考えで、感染状況に応じた独自の4段階基準に沿った、社会・経済活動の継続を呼びかけている。
今後の経済復興に向け、知事は国の臨時交付金の不足を訴えており、20日に行われた全国知事会のテレビ会議でも「地域の実情に応じた増額が不可欠」と述べ、知事会の国に対する臨時交付金の飛躍的増額に向けた緊急提言に賛成している。
一方、学校の休校に関連する「9月入学」について知事は「中長期な視点としては賛成」としながら「今やるべきことは目の前の子供たちの学習機会の確保だ」と述べ、アンケートでも「どちらともいえない」との立場を示した。