「感染第2波」警戒 厳戒態勢で異例づくしの全人代





中国全人代の開幕式にマスクを着けずに臨む習近平国家主席(下)=22日、北京の人民大会堂(共同)

 【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)を受け、当初の予定から約2カ月半も遅れてようやく開催にこぎ着けた中国の全国人民代表大会(全人代)。今も「感染第2波」が警戒されることから、参加者はPCR検査が求められ、記者会見はインターネットを活用して行われるなど、感染対策が徹底される厳戒態勢の中で開幕を迎えた。

 22日午前9時(日本時間同10時)頃、習近平国家主席ら中国共産党指導部メンバーは、マスクを着けずに会場となった人民大会堂の壇上に姿を見せた。だが、習氏と向き合う形で座る全人代代表(議員)らは軒並みマスク姿で、改めてコロナ禍の全人代を印象付ける形となった。

 新型コロナによる犠牲者への黙祷(もくとう)がささげられたのに続き、李克強首相が政府活動報告を行ったが、例年と比べて簡潔な印象だった。中国メディアによると、今年の政府活動報告は中国語で約1万字。ここ数年は2万字前後だったというので半分程度だ。

 北京の経済専門家は「もともと準備されていた内容を今の状況に合わせて切った印象だ。先行きが不透明な中で、幅広い分野について最低限必要な分だけを触れる内容だった」と指摘する。

 今年の全人代は、運営面でも異例づくしとなった。例年は10日間程度となっている会期を1週間に短縮。全国から集まる約3千人の代表はPCR検査を受けたと伝えられている。

 報道機関への取材対応もテレビ会議方式など主にネットを活用している。

 全人代会場の人民大会堂にいる政府高官の記者会見は、離れた場所に設置された取材拠点とをオンラインで結んで実施。現場で取材ができる報道陣の数は、国内外のメディアとも当局により大幅に絞り込まれた。



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