大阪府の吉村洋文知事は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を再警戒する独自基準「大阪モデル」の運用を23日に一部見直したことについて「(指標の一つが)実態にそぐわない。必要があれば修正し、よりよくする姿勢が重要だ」と述べた。6月に専門家会議を開き、モデルの基準全体を再検討する考えを示した。府庁で記者団に答えた。
府は従来、(1)感染経路不明者数(2)感染経路不明者の前週比(3)陽性率(いずれも7日間平均)-の1つでも基準を超えれば、警戒信号で注意喚起の「黄」を点灯するとしていた。だが23日以降、(2)のみが超えても「緑」を維持することにした。
23、24日は2日連続で府内の新規感染者数がゼロになり、24日の(2)の数値は1・43と基準の1を超えた。
吉村氏は、(1)が少数で推移すれば(2)は「上振れしやすい」と指摘。「1という数字が、経路不明者が少ないときの正しい基準なのか詰めなくてはいけない」とした。
その上で「(モデルを)機械的に適用して黄色で危険というほうが実態に合わない。モデルの趣旨は府内の感染の広がりをキャッチして、感染防止と社会経済活動を両立させることだ」と強調した。
運用を見直す際に専門家会議や記者会見を開かなかった対応については「府のホームページで(運用見直しを)公表しており、府民へのお知らせは果たした」と述べ、問題ないとの認識を示した。