25日、自民党内で石破総理への退陣要求が噴出する中、SNS上では「#石破辞めるな」というハッシュタグが広がり、首相官邸前には約200人近くの人々が集結しました。彼らは「#石破辞めるな」と書かれたプラカードを掲げ、石破総理を激励する異例のデモを展開しました。この集会は、現在の日本の政治情勢の複雑さを浮き彫りにしています。
デモの開始と現場の熱気
現場からの報道によると、この激励デモは午後7時から本格的に始まりました。参加者たちは、プラカードを掲げながら「石破辞めるな!」「石破負けるな!」「石破粘れ!」「民主主義を守れ!」といった力強い言葉を声高に叫び、石破総理への退陣要求に抗い、その続投を強く訴えました。ABEMA NEWSの楪望キャスターが午後6時過ぎに現場に到着した時点ではまだ人がまばらでしたが、6時半頃から急速に人が集まり始め、7時を過ぎる頃には約200人に達し、その後も参加者は増え続けました。官邸前だけでなく、横断歩道を挟んだ向かい側にも多くの人々が集まり、「イシバ! イシバ!」というコールが響き渡るなど、現場は熱気に包まれました。
首相官邸前で「石破辞めるな」と書かれたプラカードを掲げ、石破総理への激励デモを行う参加者たち。
意外な参加者層が示す多角的支援
驚くべきことに、このデモの参加者の多くは自民党の支持者ではありませんでした。現場で話を聞いたところ、立憲民主党、れいわ新選組、共産党といった他党の支持者が多数を占めていたことが明らかになりました。彼らは口々に「自民党自体は支持していないが、石破総理は応援したい」と語りました。その理由として、「現与党が自民党である現状は変えられない。もし石破総理が退陣し、高市氏や小泉氏といった名前が挙がっている次の総理候補が就任すれば困る。だからこそ、今この石破総理の地位を守りたい」という、党派を超えた戦略的な支持の姿勢が伺えました。これは、日本の政治において、特定の政策や人物に対する支持が、必ずしも所属政党への支持と一致しない複雑な世論を反映しています。
デモに込められた理念と多様な主張
デモの発起人は、マイクを通じて午後7時頃に「信条や真理は問いません。皆さんそれぞれリスペクトを持ってください。ここにはいろいろな思いを持ってる方がいらっしゃいます。ただし、差別主義者はお断りします」と呼びかけ、会場からは大きな拍手が送られました。また、別の参加者からは「ファシズムの脅威が迫っている。その防波堤となっているのが石破総理だ」といった強いメッセージも聞かれました。参加者たちの信条は様々でありながらも、石破総理の続投を求めるという一点で結束している様子が窺えました。デモの参加者の年齢層はバラバラで、兵庫県尼崎や福島など全国各地から集まっており、この動きの広がりを示しています。現場には30~40人程度の報道陣が詰めかけ、その関心の高さが伺えました。一方で、石破総理に異議を唱えたいと考える人々も一部おり、一時的に衝突寸前の場面も見られ、警察によって制止される一幕もありました。
結び
首相官邸前で行われた「石破辞めるな」激励デモは、党内からの退陣要求に直面する石破総理に対し、意外な層からの支持が顕在化した象徴的な出来事となりました。自民党支持者に限らず、多様な政治的背景を持つ人々が「ファシズムの脅威」への対抗や、特定の候補者への懸念から石破総理の続投を求める声は、現在の日本の政治情勢が極めて複雑かつ多層的であることを示唆しています。このデモは、今後の日本の政治動向を読み解く上で重要な示唆を与えています。
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