「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家で、平成30年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した和歌山県田辺市の酒類販売会社元社長、野崎幸助さん=当時(77)=の兄(86)ら親族4人が「全財産を市に寄付する」とした野崎さんの遺言書の無効確認を求め、遺言執行者の弁護士を相手取り和歌山地裁に提訴したことが27日、分かった。
市によると、遺産は約13億5千万円とみられ、30年に市職員が和歌山家裁田辺支部で遺言書を確認した。 訴状などによると、遺言書の作成は25年2月8日付。原告側は(1)コピー用紙1枚に赤ペンで手書きされ熟慮の末に作成したとは考えにくい(2)市に寄付する合理的動機が見当たらない(3)遺言書が保管、発見されたとされる状況が不自然-などの理由から「野崎さん以外が遺言書を作成し無効だ」と主張している。提訴は4月18日付。