反共産党デモや主張は禁止…国家安全法の香港導入の問題点とは





27日、香港のデモで、取っ組み合いになる警官隊とデモ支援者(ゲッティ=共同)

 【香港=藤本欣也】中国の全国人民代表大会(全人代)は28日、「香港が国家安全を守るための法制度と執行メカニズムに関する決定」を採択する。この決定によると、全人代常務委員会が制定する香港の国家安全法では、国家分裂、政権転覆、組織的なテロ活動など国家の安全に重大な危害を与える行為・活動や、外国勢力による香港への干渉が禁止される。

 具体的には、(1)反中国共産党デモを行う(2)香港独立や英領香港時代の旗を掲げる(3)新聞や出版、ネットを通じて「共産党独裁反対」「中国の民主化要求」「天安門事件の真相究明」などを主張する(4)外国の議員との面会や、海外で香港問題への支援を求める講演を行う-ことなどが罪に問われる可能性がある。

 このほか、(1)中国の国家安全当局は香港に出先機関を設置可能(2)香港行政長官は国家安全教育を推進することになる。香港の外国人裁判官が国家の安全や治安に関する審理を担当できなくなる-との報道もある。

 全人代常務委が制定した後、香港政府が公布する。9月6日に予定される香港の立法会(議会)議員選挙前に施行されるのは確実だ。

 香港の学生ら市民の間では、「表現・集会の自由」が制限され、秘密警察が香港に設置されることへの不安のほかに、「国家安全教育」の名の下で愛国教育が進められることへの懸念も広がっている。

 全人代常務委が香港に国家安全法を導入することについて、中国側は香港基本法(ミニ憲法)に基づいた合法的措置と主張する。

 基本法18条には「中国の全国レベルの法律は、基本法付属文書3に列挙されたものを除き、香港で施行されない」とある。つまり、付属文書3に追加すれば、香港で施行できることになる。そして、追加を決定できるのは全人代常務委と明記されている。

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