【ワシントン=黒瀬悦成】エスパー米国防長官は3日、国防総省で記者会見し、白人警官による黒人男性暴行死事件を受け全米に拡大した抗議デモと暴動に関し、暴徒制圧のため米軍部隊を投入することは現時点で行う必要がないとの考えを表明した。
トランプ大統領は1日、暴動が深刻化している州の知事が州兵の動員に否定的なのであれば、米軍部隊を現地に派遣する用意があると述べていた。
これに対しエスパー氏はこの日、「治安維持のための軍投入は最終手段であり、今は最終手段をとる段階にない」と指摘し、トランプ氏の考えと距離を置く立場を示した。
米主要メディアによるとトランプ氏はエスパー氏の発言に不満を抱いたとされ、同氏が更迭されるとの観測も一時広がった。
マクナニー大統領報道官は3日の記者会見で、米軍動員の根拠となる反乱法を適用するかどうかは「大統領ただ一人に権限があり、必要であれば行使する」と強調した。