東京女子医科大病院(東京都新宿区)で平成26年、脳腫瘍の女性が死亡したのは、抗てんかん薬の過剰処方が原因などとして、遺族が大学と担当医師2人に計約4300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。佐藤哲治裁判長は「抗てんかん薬の用法用量を順守しない過失があった」として、大学側に約1500万円の支払いを命じた。
判決によると、川崎市の長浜裕美さん=当時(43)=は26年8月に脳腫瘍の再発が確認された後、けいれん発作を起こした。病院から抗てんかん薬「ラミクタール」を用量の最大16倍も処方され、翌9月に「中毒性表皮壊死(えし)症」を発症して死亡した。
佐藤裁判長は、医師らには添付文書を順守して処方量を徐々に増やす義務があったのに、副作用を十分説明せず最初から上限量を処方したと指摘。「長浜さんは余命約3カ月とされていたが、添付文書に反する処方によって早期に死亡した」と結論付けた。
大学側は、てんかんの発作当時は長浜さんが出場を希望していたサンバ大会まで数日しかなく、「ラミクタールを漸増させる余裕はなかった」などと反論したが、判決は、過剰処方の効果についても「疑義がある」などとして退けた。
病院は「判決を重く受け止め、謝罪の意を表します」などとするコメントを出した。