【パリの窓】さまざまな国のかたち

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着席禁止の座席が目立つバス内で写真撮影に応じるニース市のエストロジ市長=6日、ニース(ロイター)

着席禁止の座席が目立つバス内で写真撮影に応じるニース市のエストロジ市長=6日、ニース(ロイター)

 フランスでは3日、新型コロナウイルスの感染者が352人も増えた。なのにパリでは緩みが目立つ。

 バスの座席にはいま、感染対策で半分に「着席禁止」のシールが貼ってある。中年女性がそこに腰かけた。横に座っていた別の客に注意されると、「私、疲れているの。ルールは柔軟性が必要よ」と言い返した。しまいには「嫌なら立てば」「あなたこそ」と口論に。空調のない車内は暑苦しいこと、この上ない。

 家具店では店員にマスク着用を求められ、「そんなの無意味」と食ってかかる客を見た。「社会的圧力」には、倍返しで抵抗するのがこの国らしい。

 こんなふうだから、政府も問答無用の法律で押し付けるしかない。商店閉鎖や外出禁止令は、前日に突然発表。違反者には罰金だ。いささか乱暴に見えるが、みんな「政府の仕事は法律で国民を縛ること」と心得ているのか、文句は出ない。「日本は自粛要請で乗り切っている」と友人に話すと、「なぜ、みんな素直に従うの?」と質問された。

 欧州でも、フランス人は特別らしい。ドイツ人は「フランス人は自由を口にしながら、法で縛られるのが大好き」と笑う。スウェーデンは感染死者が続出しても「国民の責任感を重んじる」と頑として都市封鎖はしない。国のかたちはさまざまだ。(三井美奈)

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