兵庫県宝塚市の住宅で4人がボーガンで撃たれ、3人が死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された自称大学4年、野津英滉(ひであき)容疑者(23)が昨年9月に休学していた大学を除籍されていたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。学費納入をめぐる問題が理由とみられる。
野津容疑者は自宅内で祖母と母親、弟の3人をボーガンで殺害。現場を訪れた伯母を玄関先で襲撃していた。「家族を殺すつもりだった」と供述しており、兵庫県警は家族間トラブルがあったとみて動機の解明を進めている。
捜査関係者によると、野津容疑者は平成27年4月に神戸市内の大学へ進学。人文学のゼミに所属するなどしていたが、休学したまま昨年9月に除籍された。
除籍は郵送で通知されるため、本人は知らない可能性もあり、野津容疑者は逮捕後の調べに、自ら「大学4年」と答えていた。大学は学則で、納入期限後2カ月以内に学費を納めない人は除籍対象と定めている。
事件は4日午前10時15分ごろ、同市安倉西の野津容疑者宅で発生。県警によると、同居の祖母、好美さん(75)と弟の英志(ひでゆき)さん(22)、別居の母親、マユミさん(47)と伯母の百合江さん(49)の4人が、野津容疑者にボーガンで次々と撃たれた。矢は計5本で、いずれも4人の頭部や首に刺さり3人が死亡、伯母が重傷を負った。
伯母は事前に野津容疑者と電話で話して住宅を訪れ、玄関先で撃たれた矢が首に刺さったまま、近所の住民宅に助けを求めた。通報を受けた警察官が自宅前で野津容疑者を発見。「伯母さんを撃った」と説明したため現行犯逮捕された。