【TVクリップ】「あさイチ」藤原薫「話してくれる人を輝かせたい」





「あさイチ」リポーターの藤原薫(酒巻俊介撮影)
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 NHKの朝の情報番組に、レギュラーの「おでかけLIVEリポーター」として活躍している。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出た4月以降はロケに出られない日々が続いたが、リポーターとしてはや4年目を迎えた。

 「リポーター自体が初めての挑戦。自分に合っているのかとか、人気番組の生放送という不安もあったけど、自分に求められるものが分かってきました」

 求められるもの、それはすなわち「うまさではなく、キャラクターだと。周りから『素直だね』といわれることも多くて。それが一番いいことだと気付きました。分からないことは分からないとちゃんと言えるように。それを強みとしてやっていきたい」と話す。

 「全国にはいろんな人がいて、いろんなものがあって、いろんな場所がある。どのジャンルも初めて見る世界」と語る中で、一期一会をモットーにしている。「その日にしかお会いできない人もたくさんいる。なかなか行けない場所にも行く。中継の前に、その人たちといい関係をつくり、中継をやりやすい状況を作っておく」という作業を常としている。そうした作業やリハーサルも含め、朝6時には現場に入る日々が続く。

 これまでのロケで印象に残るのは、昨年12月に訪れた秋田県小坂町にある芝居小屋「康楽館」。国の重要文化財だ。ここには人力で回す回り舞台がある。リポート中に歌舞伎の衣装を着て、回り舞台が回る中、舞を舞った。「30秒という短い時間だったけど、楽しめた」と笑う。

 リポートは8分間。ロケ地先の人に話を聞きながらの中継が多いが、「あるお寺で、1人で8分を全部しゃべって説明しながら中継したことも。いつの時代に誰が何をした、という歴史などを頭に入れて臨みました」と振り返る。

 役者としては、「日本アカデミー賞の舞台に立ちたい」との夢を持つ。ただ、リポーターとしては「一緒に出演し、話す人が僕に対して話しやすいと思ってくれれば、表情も変わってくる。主役は僕じゃなく、話してくれる人。その人を輝かせるのがリポーターの仕事」と自身の任を肝に銘じている。学生時代は吹奏楽でホルンを演奏していたといい、「そうだ、ホルンの役割にも似てますね」と、伴奏や副旋律で主旋律を引き立たせる役回りになることも多いホルンに自身の姿を重ねていた。(文化部 兼松康)

ふじわら・かおる 平成7年生まれ。東京都出身。子役としてデビュー後、映画「告白」(22年)の下村直樹(少年B)役で注目される。その後、映画「悪の教典」やテレビドラマ「学校のカイダン」(日本テレビ)、「仰げば尊し」(TBS系)、舞台「ポセイドンの牙」など幅広く活躍。テレビでは四国4県で放送中のNHK「軽四キャンピングカーがゆく」にもレギュラー出演。



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