耳の不自由な人にも国会審議を理解してもらおうと、参院の本会議や委員会などのインターネット中継に手話通訳を導入する案が浮上している。9日に開かれる参院議院運営委員会メンバーによる「バリアフリー化推進プロジェクトチーム(PT)」で、自民党の大家敏志、立憲民主党の斎藤嘉隆両共同座長が提案する。
昨年11月に発足したPTでは、議場内のスロープ設置など国会のバリアフリー化について協議してきた。ネット中継に手話通訳を導入することも検討していたが、新型コロナウイルスへの対応を優先したため、議論が深まらなかった。
しかし、聴覚障害者が手話や文字で伝える内容をオペレーター(通訳者)が訳して電話する「電話リレーサービス」を制度化する新法が5日に成立。その委員会審議の際、「審議の過程に手話通訳をつけてほしい」との声が寄せられ、参院総務委員会の若松謙維委員長(公明)が議運委側に手話通訳の導入を要請し、PTで協議する運びとなった。
9日のPTでは大家、斎藤両共同座長が案を示した上で、導入時期などについて協議する方向だ。