【米大統領選】共和穏健派のパウエル元国務長官がバイデン氏支持表明





パウエル元米国務長官(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】1期目の息子ブッシュ米政権下で黒人初の国務長官を務めたコリン・パウエル氏は7日、CNNテレビの報道番組に出演し、11月の大統領選でトランプ大統領の再選を支持せず、民主党の候補指名を確実にしたバイデン前副大統領に投票すると表明した。

 パウエル氏は穏健派の共和党員で、2016年の前回大統領選でも民主党候補のクリントン元国務長官を支持した。

 トランプ氏に対しては、白人警官による黒人暴行死事件を受けた抗議デモへの対応をめぐり、身内の共和党からも批判が出ているが、大統領選でバイデン氏氏支持を公言した同党の有力者は初めて。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、息子ブッシュ氏と、ウクライナ疑惑をめぐるトランプ氏の弾劾裁判の評決で造反したロムニー上院議員もトランプ氏を支持しない方針という。

 共和党穏健派の有力者の多くは前回大統領選でもトランプ氏の不支持を打ち出しており、一連の動きが今回の選挙にどれだけの影響があるかは選挙専門家の間でも意見が割れている。

 パウエル氏はトランプ氏について「常に嘘をついている」と批判。白人警官による黒人男性暴行死事件を受けた抗議デモへの対応で米軍部隊の動員を唱えたことなどについても「憲法からの逸脱だ」と主張した。

 これに対しトランプ氏はツイッターでパウエル氏を「米国を中東での戦争に引きずり込んだ石頭野郎」などと罵倒した。



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