大阪銀行協会の新会長に就任したりそな銀行社長の岩永省一氏は大阪市内で開いた記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた関西経済について、「インバウンド（訪日外国人客）への依存度が高く、消費が戻るにはまだ時間がかかる」と指摘。金融機関の役割として、「コロナ後に向けて企業努力をサポートする金融以外のサービスへの注力が大事だ」と話した。
岩永氏は新型コロナによって景気が急激に悪化しているとし、「個人消費のほか、企業の生産活動や設備投資に非常に大きな影響が出ている」と分析。「インバウンド以外の強みを発揮するのが課題」とした。
融資先の貸し倒れに備えた引当金などの与信費用が各金融機関で増加しており、「この状況がいつまで続くのか、現段階で結論を出すのは難しい」とし、感染拡大の第二波への懸念を示した。
一方、業績悪化が金融機関の再編には結びつかないと断った上で、「各行の判断でＩＴ化などで連携を強化する可能性はある」と展望を述べた。
