国内のベンチャーキャピタル(VC)による令和2年1~3月の投資額が前年同期比20・3%減の387億4千万円にとどまったことが、ベンチャーエンタープライズセンター(VEC、東京都千代田区)が発表した投資動向調査で分かった。前期(元年10~12月)との比較だと30・9%減っており、新型コロナウイルスの感染拡大による経済混乱で、投資先や投資額を絞り込む動きが鮮明になった。
投資先企業の成長段階では、アーリー(創業初期)が前年同期比5・5ポイント減の44・6%、シード(創業前期)も7・7ポイント減の14・5%に対し、エクスパンション(成長期)が9・3ポイント増の29・3%、レーター(公開前期)が3・9ポイント増の11・6%に達した。多くのVCでこれまでのような事業の成長性を評価する姿勢から、投資資金の確実な回収を目指す姿勢に変化していることがうかがえる。
また業種別では、「IT(情報技術)関連」が全体の51・7%と過半数を占め、「バイオ、製薬」が17・8%と続いた。