自民党の二階俊博幹事長は9日の記者会見で、東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)への出馬を近く表明する小池百合子知事を「最善最適の候補だ」と持ち上げ、小池氏の要請があれば推薦する意向を重ねて示した。党本部は小池氏を全面支援する構えだが、足元の都連は小池氏との溝を埋めることができず、「面従腹背」で臨むことになりそうだ。
二階氏は会見で、小池氏について「もともと自民党の代議士だ。今の立場がどうあろうと真剣に応援したい」とも語った。この日の夜には小泉純一郎元首相、山崎拓元党副総裁らと都内の日本料理店で会食。出席者によると、常連メンバーの小池氏は新型コロナウイルスへの警戒を呼びかける「東京アラート」が発動されている中で欠席したが、電話で参加し、知事選出馬の意向を示したという。
小池氏支援に突き進む二階氏とは対照的に、「反小池」派の熱は低い。党選対関係者は「小池氏にとっては都庁で新型コロナ対応にあたることが一番の選挙活動だ」と分析し、告示後も街頭演説や集会は最小限にとどめるとみる。「小池氏がいないのに街頭で応援するほどの情熱を持っている議員はいない」とも語る。
都連幹部も「小池氏が都庁にいてくれれば、表立って応援せずに済む」と後ろ向きで、ある都議は「推薦が出ても応援しない」と明言する。ただ、二階氏は周囲に「誰が応援して、していないか。周りはちゃんと見ている」と語り、腰の重い都連を早くも牽制(けんせい)している。(広池慶一)