【主張】韓国との通信遮断 文政権は北におもねるな

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 北朝鮮が、首脳間のホットライン(直通電話)や南北共同連絡事務所、軍同士など韓国との全通信回線を遮断した。

 韓国の脱北者団体が、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長や核開発を批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばしたことへの最初の報復だとしている。

 正恩氏の妹で、対南政策を統括する金与正党第1副部長は4日、緊張緩和に向けた2018年の南北軍事合意の破棄もちらつかせた。

 5月3日には、軍事境界線の南側にある韓国軍の歩哨所に向け、北朝鮮側から数発の銃撃があった。軍事的に対峙(たいじ)する南北の間で通信回線が機能しなくなるのは望ましくない。北朝鮮は遮断を撤回すべきだ。

 そもそも通信遮断は、韓国から譲歩や融和策を引き出したいときにとる北朝鮮の常套(じょうとう)手段だ。韓国の文在寅政権は北朝鮮の見え透いた揺さぶりに気付くべきだ。

 ビラの飛来への反発は、北朝鮮の体制が弱いことを示している。北朝鮮国民に真実が伝わると動揺するようなもろさを自ら認めているような話である。

 核・ミサイル問題での国連制裁や新型コロナウイルスの影響で、国民に動揺が広がり、ビラの体制批判に威力があるのだろう。頼みの綱である中国、ロシアとの行き来は大幅に縮小し、経済的な苦境にあるのは間違いない。

 4月には正恩氏の動静が一時途絶え、重体説が流れた。最近では与正氏の存在が高まっている。正恩氏の健康不安を踏まえ、「兄妹体制」に移行しつつあるのか。体制が揺れているのは確かだ。日本政府には、体制崩壊を含むさまざまな事態への備えと、拉致被害者救出の努力が求められる。

 極めて問題なのは文政権の北朝鮮へのおもねりだ。18年の南北板門店宣言ではビラ散布を、中止すべき敵対行為に含めた。文政権は10日、正恩氏を批判するビラを散布した脱北者2団体を南北交流協力法の違反容疑で刑事告発すると発表した。団体の法人格解消の手続きにも着手する。

 ミサイル発射や核開発など平和を乱す重大な敵対行為を続けているのは北朝鮮の方だ。文政権が北朝鮮の独裁政権に弱腰で、その国民に真実を伝えようと努める自国の民間団体を弾圧するのは本末転倒だ。自由主義国家の道を踏み外してはならない。

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