国連の安全保障理事会はウクライナ情勢と国連憲章に関する首脳級会合を開催しました。ゼレンスキー大統領は、演説の中で「人類はもはや、国家の主権を守るために国連に期待できない」と述べ、機能不全に陥っている安保理の改革を訴えました。
ゼレンスキー氏の演説
ゼレンスキー大統領はグテレス事務総長の後に演説しました。彼は「国連は(ロシアによるウクライナへの)侵略の問題で行き詰まりを感じていると認識すべきだ」と述べました。
安保理では、ロシア軍のウクライナからの即時撤退などを求めた決議案が、ロシア自身の拒否権によって否決されました。安保理は戦争や紛争を抑える「平和の番人」としての役割を果たすべきでありながら、拒否権を持つ米英仏と中露の対立によって北朝鮮の核・ミサイル開発問題などでも一致した行動が取れない状況が続いています。
ゼレンスキー大統領はロシアの侵略を念頭に「人権に対する残虐行為には、拒否権は停止されるべき」と述べ、193カ国が参加する国連総会に「拒否権を超える真の権限を与えるべき」と指摘しました。「総会での決議をすべての加盟国に法的拘束力があるものにしなければならない」と訴えました。
ウクライナ情勢と国連の課題
ロシアのネベンジャ国連大使はゼレンスキー氏の演説を聞きながら険しい表情を浮かべていました。今後はロシアのラブロフ外相が演説する予定です。
この首脳級会合はアルバニアが提案し、15カ国の理事国に加え、ウクライナを含む40以上の国・地域から首脳や閣僚が参加しました。
ゼレンスキー大統領の訴えは、国連安全保障理事会の改革への切実な願いが込められています。国連には人類の平和と安全を守る重要な役割があり、その役割を果たすためには機能不全に陥った安保理の改革が必要です。
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