国会最終盤 野党「持続化給付金」など追及 参院予算委





参院予算委員会で質問する立憲民主党・蓮舫副代表兼参院幹事長(右)。左は安倍晋三首相=11日午前、国会・参院第1委員会室(春名中撮影)

 11日の参院予算委員会で、野党は引き続き「持続化給付金」事業の事務委託の問題を取り上げ、政府側は説明に追われた。安倍晋三政権に打撃を与えようと攻勢をかける野党だが、批判が空振りし、切り返される場面も目立った。

 「本当に実体があるんですか、この法人」

 立憲民主党の蓮舫副代表は、梶山弘志経済産業相に詰め寄った。

 同事業の事務委託を受けた一般社団法人が電通などに再委託していたことに加え、野党議員が事務局を視察した際に無人だったなどとして批判を強めている。

 これに対し、梶山氏は「これまでも受注実績があるし、補助金の仕事もしている」と述べ、リモートワークや全国の審査会場などでも適切に業務を行っていると反論した。

 それでも納得しない蓮舫氏は、週刊文春の報道を持ち出し、米国視察の際に法人理事とパーティーで同席したと報じられた中小企業庁の前田泰宏長官に事実関係を問いただした。蓮舫氏が「国民の疑惑や不信を招く行為はしていないと言えるか」と尋ねたのに対し、前田氏は「そういう行為はしていない」と述べた。

 国会最終盤となった審議で、野党側は持続化給付金事業などの事務委託や、黒川弘務前東京高検検事長が賭けマージャンで辞任した問題に照準を絞り、政権を責め立てている。

 もっとも、政権批判に前のめりになった結果、空回りする姿も目立つ。

 蓮舫氏は、10万円の現金給付のオンライン申請でシステムトラブルが起きたことをめぐり、処理能力を上げるためサーバーの増設に言及した高市早苗総務相に「サーバーは増やすんじゃなくて時代はクラウドなんですよ」と吐き捨てた。

 ただ、クラウドはネットワーク上のデータなどを引き出して利用する仕組みで、データなどはサービス提供業者のサーバーに保存される。このため、ツイッターで「クラウド蓮舫」がトレンドになるなど、会員制交流サイト(SNS)でも疑問の声が上がった。

 無所属の小西洋之氏も黒川氏の処分の根拠になった法律名などを執拗(しつよう)に質問。「黒川氏は官邸で首相と会っている。自分のために仕事をしていた人間が犯罪を犯していた。懲戒(処分)にしなければと考えないのか」と尋ね、首相から「小西さんの理論でいくと、私と会った人間は私が直接処分をしなければいけない。飛躍している」とやり返された。(田村龍彦)



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