中国、南シナ海で大規模演習へ 2空母参加の可能性





中国初の国産空母「山東」(新華社=共同)
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 【北京=西見由章】中国海軍が今夏、南シナ海で大規模な軍事演習を計画していることがわかった。北京の軍事関係筋によると、4~5月に米海軍が南シナ海で繰り返し実施した「航行の自由」作戦や、8月にハワイ周辺海域で開催される米海軍主催のリムパック(環太平洋合同演習)に対抗する狙いがある。中国海軍の空母2隻が同時に演習に参加する可能性もあるといい、米中間の軍事的緊張が高まりそうだ。

 リムパックには米国や日本、ベトナムなど20カ国以上が参加する見通しだが、中国は前回の18年に招待を取り消された。軍事関係筋によると、「中国側も空母を出動させて大規模な軍事演習を行い、西太平洋周辺における独自の海上安全保障体系を誇示する」構えだという。

 昨年12月に就役した中国初の国産空母「山東」は5月25日、遼寧省大連の造船所を出港した。中国国防省は「武器装備の性能を検査するための訓練」だとしており、夏の大規模演習に向けた準備との見方もある。中国海軍が運用する空母は現在、旧ソ連の「ワリヤーグ」を改修した遼寧と山東の2隻体制。両空母が同時に演習に参加すれば初のケースとなる。

 一部メディアは中国軍が8月、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した上陸演習を南シナ海で実施すると報道した。一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは今夏に中国海軍が南シナ海で大規模な軍事演習を計画していると報じ、「東沙諸島は地政学的に重要ではなく、中国軍に掌握の意図はない」とする台湾の軍事専門家の分析を紹介。中国軍関係者も「(台湾侵攻を想定した)通常の上陸訓練は演習に含まれるものの、目的は東沙諸島の奪取ではない」としている。



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