人種差別抗議デモ 仏大統領、像撤去を否定 「歴史の足跡消さない」





フランスのマクロン大統領(AP)

 【パリ=三井美奈】米欧で広がる人種差別への抗議デモで、植民地支配の指導者像の撤去要求が強まる中、フランスのマクロン大統領は14日、テレビ演説で仏国内の「像は撤去しない」と表明した。

 仏国民議会(下院)前には、17世紀、ルイ14世の財務総監として、米ルイジアナ、カナダなどの植民地経営を進めたジャンバティスト・コルベール像が立っており、人権活動家が「この場所にふさわしくない」と訴えていた。マクロン氏は演説で「歴史上の足跡や人物名を消したりはしない。歴史全体を見つめ、未来への関係を構築する」としたうえで、国内の人種差別問題について何らかの対応策をとると述べた。

 抗議デモの広がりで、隣国ベルギーでは、19~20世紀にコンゴを植民支配したベルギー国王、レオポルド2世の像に対し、放火や落書きなどの攻撃が相次ぐ。英南西部では、17世紀の奴隷商人像がデモ隊になぎ倒された。



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