NHK「黒人動画」 番組責任者が経緯説明、改めて謝罪





NHK放送センター外観=東京都渋谷区(古厩正樹撮影)

 NHKの国際情報番組「これでわかった!世界のいま」が、米国のデモを伝える7日の放送で流したCGアニメーション動画が「黒人への差別と偏見を助長する」と批判を浴びた問題で、NHKは14日の同番組で一連の経緯を説明し、改めて謝罪した。

 14日の放送では冒頭、番組責任者の田端祐一国際部長が「国内外で差別や偏見に苦しむ人たちを傷つけ、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを深く反省し、心からおわびいたします」と頭を下げ、約3分半にわたり経緯などを説明した。

 批判を浴びたアニメについて、「黒人の屈強な男性などが経済への不満から暴れているかのように描かれ、黒人に対する誤った印象を与えるものでした。また、放送当時、デモは平和的なものがほとんどで、さまざまな人種の人たちが参加していましたが、アニメはこうした状況を反映していませんでした」と説明。

 経済格差のデータを分かりやすく伝えようと編集責任者やデスクが確認しながら制作したが、「黒人の描き方については人権や多様性に対する認識が甘かったと思います。その結果、尊厳を傷つけてしまうことになりました」と振り返った。

 田端部長は「今回いただいた厳しいご批判を重く受け止め、二度とこうしたことがないよう、人権の尊重という原点に立ちかえって取材・製作に取り組んでまいりたい」と改めて謝罪。今後は取材、制作者への研修を改めて行い、人権に対する意識を徹底していくという。

 問題となったアニメは、7日の同番組の特集「拡大する抗議デモ アメリカでいま何が」の中で、黒人が置かれている状況を説明するために作られた。番組公式ツイッターで紹介する(現在は削除)などしていたが、デモの発端となった事件やトランプ大統領の発言などデモが過激化する背景について言及されていなかったことから、ヤング駐日臨時代理大使もツイッターで疑問の声を上げるなど国内外から批判の声があがっていた。



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