STARTO ENTERTAINMENT(以下STARTO社)の人気ジュニア、三村航輝さんの退所発表が、一部ファンの間で人気グループtimeleszへの新たな批判と論争を巻き起こしています。特に焦点となっているのは、timeleszが実施した新メンバー募集オーディション「timelesz project」(タイプロ)と、伝統的なジュニア育成システムとの比較から生じる不公平感です。
三村航輝の退所発表とその波紋
この波紋の発端は、三村航輝さんが6月2日に有料会員向けブログで6月30日でのSTARTO社退所を発表したことです。ローラースケートを得意とし将来を嘱望されていた三村さんは、6年間の活動を振り返り新たなステージへの挑戦を決意したと綴りました。ファンへの感謝を述べつつも、「出来ることならメンバーともっと上を目指して頑張りたかった」「思い描いた通りにはいかなくて」「今の自分には未来が見えない」と正直な苦しい胸の内を明かし、17歳アイドルのこの一文は多くのファンに衝撃と悲しみを与えました。
timelesz新メンバー募集「タイプロ」への批判
三村さんの退所報告後、一部ファンがタイプロへの批判を強めています。timeleszは、新メンバー募集オーディション「タイプロ」を経て、2月に寺西拓人さん、原嘉孝さん、橋本将生さん、猪俣周杜さん、篠塚大輝さんの5人を新たなメンバーとして迎えました。これは、数百人の中から狭き門を突破する伝統的なジュニアデビューと異なり、すでにデビュー済みのグループへの「中途採用」と見なされています。現在、STARTO社のジュニアはデビューへの道が不透明な状況にあり、今年3月末には36名が一斉に退所するなど、将来への不安を抱える者が多い現実があります。
新生timeleszの集合写真。メンバーの菊池風磨のインスタグラムより。
三村さんの「未来が見えない」発言が、対照的にタイプロ加入メンバーの急速な露出増(バラエティ番組出演や雑誌表紙など、オファーが殺到していると報じられています)と対比され、不公平感が生まれたとの見方が出ています。
タイプロでtimeleszに加入した寺西拓人。スーツ姿で注目を集めたことも。
X上では、「タイプロは1番大事な“ジュニア”という過程をすっ飛ばしてる」「ジュニアの存在意義否定だ」「ずっと努力してきたのに歌もダンスも出来ないポッと出にデビューされて、実力もないくせにぽんぽん仕事決まっていってるの見たらバカらしくなる」といった批判に加え、ジュニアとしての長年の努力を軽視されたと感じる意見が噴出しています。一方で、「元々デビューしてたタム(timelesz)に一般人が入るのとジュニアからデビューするの全く話が違くない?」「タイプロは悪くない」「ジュニアになんかある度タイプロのせいにされてやってらんねぇよなぁ」「ジュニアの育成や運営に不安があることと、タイムレスがオーディションをしたことはベクトルまったく別」といった擁護意見や反論もあり、timeleszファンとジュニアファンの間で論争が続いています。
ジュニアを取り巻く厳しい環境
退所ラッシュが続くジュニアたちを取り巻く環境自体が厳しさを増していることも、今回の波紋の背景にあります。前出の芸能記者は、その背景として、2023年の故・ジャニー喜多川氏の性加害問題以降のテレビ局との関係変化による「ジュニアのバーター(抱き合わせ出演)減少」や、多くのジュニアにとって登竜門だったNHKの音楽バラエティ番組『ザ少年倶楽部』が『ニュージェネ!』と改題を経て2024年3月に終了したことなど、活躍の場が減っている現状を指摘しています。これらの環境変化が、ジュニアの大量退所の大きな要因となっている可能性があり、今回の三村さんの退所や他のジュニアの将来への不安も、タイプロの存在だけではなく、より複雑な構造的な問題が複合的に影響していると言えるでしょう。
結論
STARTO社の人気ジュニアである三村航輝さんの退所発表は、彼自身の決断であると同時に、現在ジュニアが置かれている厳しい現実を浮き彫りにしました。timeleszが実施した「タイプロ」が、伝統的なジュニア育成システムとの比較から一部のファンによる批判や論争を引き起こしている一方で、業界全体の変化による活躍機会の減少も、ジュニアが将来に不安を感じ退所を選択する要因となっています。アイドルを夢見て日々努力を重ねるジュニアたちの今後が、どのように展開していくのか、引き続き注目が集まります。