ワクチン開発まで金融・財政政策難しく みずほ証券・上野泰也チーフマーケットエコノミスト





みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト

 新型コロナウイルスの感染拡大に対応する政策メニューとしては、これで一区切りついた。前例のない危機を前に政策当局者も手探りの状態で対応している。打てる政策は出し、ひとまず様子を見ている段階だ。

 日本銀行は今回の金融政策決定会合で、企業などの資金繰り支援の総枠を110兆円規模に拡大した。実際にどれぐらい貸し出しが増えるか注意してみていく必要はある。

 次回会合に向けて、注目すべきは感染拡大の「第2波」の有無だ。もっとも、有効なワクチンが開発され、普及しないと話は始まらない。

 感染拡大を阻止するには、外出・営業自粛要請などによって経済活動の面で「ブレーキ」を踏みながら、財政政策発動の「アクセル」を踏んで景気を下支えする必要がある。ワクチン開発に時間がかかる可能性を考えると、金融・財政政策は当面、新型コロナと付き合う形になるだろう。(談)



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