トヨタ自動車は16日、自社で開発した車両衝突時の安全性を試験するソフトを令和3年1月に無償で他社や研究機関に公開すると発表した。国や企業グループに関係なく自由に使えるようにし、自動車業界全体の安全技術の底上げにつなげたい考えだ。自動運転の実用化に向けた環境整備を加速させる狙いもある。
公開するのは人体の形状や強度をコンピューター上で正確に再現し、事故が起こった際の人体への影響をシミュレーションするソフト。従来のダミー人形よりも細かく解析できる上、試験用の車体や設備が必要ないため、開発期間の短縮や費用削減が可能になる。
これまで自動車メーカーや部品メーカー、研究機関など100以上の企業や団体に有償で提供してきた。トヨタの担当者は「自動車の安全性向上の一助になってほしい」としている。