前経済産業相の菅原一秀衆院議員(58)=自民=の公設秘書が地元・東京9区の有権者に香典などを提供していた問題で、東京地検特捜部が菅原氏を任意で事情聴取したことが17日、関係者への取材で分かった。有権者や陣営関係者も聴取されたことが判明。菅原氏は公選法違反罪で告発されており、特捜部は刑事責任を問うかどうか検討するとみられる。
菅原氏は16日の記者会見で、違法性の認識があったと公の場で初めて認め謝罪。香典などの提供が平成29~31年、1年当たり30万円前後あったと説明した。議員辞職は否定している。
菅原氏によると、選挙区内で支援者らの葬儀は年間80~90件あり、9割程度は自身が香典を持参しているが、公務や海外にいて持参できない際に、秘書が代わりに香典を渡した。故人の枕元に飾る枕花を提供することもあったという。
公選法は政治家が選挙区内の住民に金銭や物品などを提供することを寄付行為として禁止。葬式や通夜に本人が出席して香典を渡す場合を除き、家族や秘書が政治家名義で渡すことも禁じており、違反した場合は50万円以下の罰金が科せられる。